ケナフ炭を用いた水質浄化
大間知香(18歳) 清水絵理子(18歳)
はじめに
 人類史上最大の地球環境問題の一つである「地球温暖化」は、 自然の温室効果のバランスを崩す様々な大気中のガスが原因でおこる。 中でも二酸化炭素の影響は一番大きい。 そこで私たちは、大気中二酸化炭素の固定化を目指して、成長が早く代用木材として 最近注目されているケナフを育てて、ケナフ炭を作った。 さらに炭の吸着能力を生かした環境浄化用材料としての利用を考え、家庭排水の浄化の 実用化に向けての実験を行った。

 実験方法
1)練歯磨き中のフッ化物イオンの測定
  炭によって浄化される家庭排水てして、歯磨きの際排出される フッ素汚染水に注目し、歯磨きによる排水中のフッ化物イオン濃度を イオンクロマトグラフィーで測定した。

2)炭を焼く
  ケナフ、杉、竹を炭焼き釜で5時間かけて炭にした。

3)炭の前処理
  まず、ケナフ、杉、竹の炭と市販の水質浄化用ヤシ殻活性炭を、 それぞれ乳鉢ですりつぶし、ふるいにかけて炭の粒径を0.25mm以下にそろえた。 次に、ビーカーの中に炭を入れ、蒸留水を加えてスターラーで2分間撹拌し、 撹拌後吸引ろ過器でろ過した。この操作を10回行って洗浄した。

4)吸着実験
 4つの試料をそれぞれ0.5、1.0、1.5gずつはかり取り、プラスチックの容器に 入れ、1ppmのNaF溶液を10ml加えた。 つづいて、4つの試料を1gずつはかり取り、0.5ppmと0.15ppmのNaF溶液を10mlずつ 加えた。これらの試料を振とう機で1時間振とうした。

5)吸光光度計での吸光度の測定
 振とう後、ろ過した溶液をそれぞれ3mlずつはかり取り、ランタンアリザリン コンプレキソン溶液を2mlずつ加え、軽く振り、暗所に1時間放置した。 放置後、専用のマイクロセルに試料を適量取り、吸光光度計で吸光度を測定した。

6)実験に用いた炭の粒径の測定
 粒子分析機で、炭の粒径を測定した。

実験結果
1回歯磨きをする際に出るフッ化物イオン濃度は、表1のとおりであった。 この結果に基づき、吸着させるNaF溶液の濃度を決定した。
吸着材として使用したケナフ炭、竹炭、杉炭、ヤシ殻活性炭、活性アルミナ について、フッ化物イオンの吸着量の比較を図1に示す。
表1. 1回の歯磨きで出るフッ化物イオン濃度
市販練歯磨き
(NaF含有)
練歯磨き中の
F-含有量(ppm)
歯磨き1回分のF-
排出濃度(ppm)
A 0.9486 0.9486
B 1.0370 1.0370
C 0.8995 0.8995
D 0.9308 0.9308
E 0.9287 0.9287
F 0.9168 0.9168
平均 0.9436 0.9436
図1.よりケナフ炭による歯磨き排水中のフッ化物イオンの吸着に関して、 ヤシ殻活性炭や活性アルミナに比べるとやや吸着量は少ないが、 杉と比べるとあまり差がない。竹は、ケナフと同じように成長が早い 植物として注目したが、ほとんど吸着しない。

成長の早さ、つまり大気中のCO2の吸収量が多い植物として、 今回注目したが、様々な点で問題であることが分かった。

まとめ

今回の実験からケナフを日本で育てること、吸着材として 用いることは、難しいと考えられる。
吸着材を開発する際には、ケナフなど新しく育てたものを用いるのではなく、 大量廃棄されているわらや籾殻、割り箸などを再利用するべきである。

謝辞
本実験をするにあたり、丁子先生、伊藤先生にご指導していただきました。 また富山高専Global Act同好会のメンバーに協力していただきました。

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